岡山市小さな中古車屋のブログ

岡山市東区で小さな中古車屋をしています。千葉ロッテ大好きな意味不明なブログ

デタラメ駄目です

船橋オート廃止に永井大介が訴え「施工側の改修見積もりはデタラメ」

2014.11.20 10:00 DMMニュース
「僕らからオートレースを奪わないでほしい」と訴える永井大介選手
「僕らからオートレースを奪わないでほしい」と訴える永井大介選手

 今夏、2016年で船橋オートの廃止が発表された。あれから3カ月、選手たちは今もあきらめず、存続に向けて東奔西走している。廃止決定までの状況と現況を、船橋オート選手会長永井大介が熱く語ってくれた。

「『オートレースの赤字を市や県が負担しているから、存続は難しい』との報道は間違っています。2年前には一般会計に2000万円を繰り入れましたし、昨今は1円も拠出していません。今回、事業継続に必要とされた施行側の14億円という見積もりも、私たち選手会の算出とは大きくかけ離れており、廃止ありきで話が進められているのです」

「廃止ありき」で話を進める施工側のデタラメな見積資料

 たとえば施行側の「平成30年(2018年)ごろの走路改修費」は4億円だが、永井がデビューした1997年ごろから行われているオーバーレイ(上塗り)なら1億3000万円(見込み、以下金額はすべて同じ)で済むという。

「トータリゼータシステム(車券の購入&払戻し機)更新にかかる4億3000万円は、全部の払戻し機を新しくする前提ですが、お客さんが減っている現状、全部を取り換える必要はなく、2億円でできます。また、スタンドの耐震補強工事も4億円と見積もられましたが、これは私たちが負担するものでしょうか」

 船橋オートは土地が三井不動産、建物がよみうりランドの所有であり、経営を圧迫させているのは年間約6億円もの“家賃”である。これまで船橋オートは両社に418億円(1989年以降)も払っている。スタンドの耐震補強費は“大家”が支払うべきものだろう。

 また、レース結果が映し出されるモニター更新費の2億円の中に、電光掲示板を3000万円で建て替えるとの見積もりもあったが、これはまだ使えるもの。施行側と選手会、両者の見積もりには10億円もの差が生じている。廃止騒動の呼び水となった見積もり額は「廃止したい人たち」による「廃止ありき」で進められた話と言われている。

施行サイドの見込み費用(上)と選手会が独自に作った見込み費用(下)。その差額がはっきりわかる

森田健作知事は廃止容認のコメントを出したが……

 また、オートレース業界がすぐにでもやるべき大命題はオッズ可変化システム。「(テラ銭を)元に戻すよう、お願いしています」と永井は語る。

 2012年、払い戻し率を従来の25%から30%に引き上げた結果、オートレースのオッズは競馬・競輪・競艇より低くなった。たとえれば、4店並ぶパチンコ店のうち1店だけが「クギを締めて出玉率を下げます」と公表したようなもの。これにより大口客が離れ売り上げも大幅に減少したが、来年度からJRAのように「レースや車券の種類に応じた」比率に見直されようとしている。

オートレースは川口・伊勢崎・浜松・山陽・飯塚と全国に6場しかなく、それぞれが交互に場外発売を行っています。たとえば浜松の車券売上げの約4割が船橋をはじめとする他場での売り上げです。廃止が決まった場合、減り続けている船橋オートの約1億円の借金は残され、レース場の方々の仕事もなくなります」

 6場体制がつぶれると業界全体に大きな影響が及ぶ。過疎化が進む山陽小野田市など、オートレースは地元の重要な産業でもある。熱心な自治体とそうでない船橋、そんな温度差も見える中、永井ら選手会は存続に向けて地道な努力を続けている。船橋駅や各レース場などで署名活動をした結果、10月末時点で10万人を超える署名が集まった。また、船橋市市議会議員に存続を訴えたところ、28名の船橋市議が船橋オートを視察している。

 森田健作・千葉県知事は「税金を投入してまで維持するのはいかがなものか」と廃止容認のコメントを出したが、実情は以上の通りだ。選手会は知事への訴えかけを願っているが、11月中旬現在、面会は叶っておらず「(船橋オートの)ふるさと納税では喜んでくれたのですが……」と永井を落胆させている。

 廃止報道が出る1年以上前から危機感をもっていた永井は、ファン参加型のイベントを様々企画してきた。バイクを改造してファンを後ろに乗せたり、誘導員や旗振り役をファンに務めさせたり、ロッカー見学を実施したり、果ては船橋オート場内の清掃活動まで……。

「自分たちの賞金を下げてでも」と存続を訴える選手たち

公営競技の選手である以上、お客さんとの関係性は保たねばなりませんが、お客さんが喜んでくれることは、できる限り何でもやります。船橋オートの場内清掃も、よみうりランドさんがやってくれないため、私たちでやってみました」

 選手や運営サイドにやる気がないなら今すぐにでも廃止したほうがいいが、今なお前向きな選手たちは「自分たちの賞金を引下げ、開催経費を負担する」とまで申し出ている。選手一人あたりの減収額は約200~400万円となる。「今はとにかく、来年度の売り上げをみて(廃止か否か)判断してもらいたい、その一心です」と永井。

 時速150kmにも及ぶスピードの中、抜きつ抜かれつのスリリングな展開は、あのビートたけしも興奮させたほど。ましてや女子レーサーも誕生し、最高ハンデ110m戦も行われるなど、昨今のレースは見どころも増えている。

 日本独自の文化の発祥地船橋オートの灯を消すのは、まだ早すぎる。